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治療詳細

treatment details

不妊症検査

目次

基礎体温表

起床前に婦人体温計で体温を測定し、それを記載した表のことです。
女性の体温は、排卵が終わり卵巣から黄体ホルモンが出ると体温が上がります(高温相)。また、月経が始まって排卵が起こるまで体温は下がります(低温相)。その変化を見るために基礎体温表をつけます。基礎体温表は、月経周期があまり乱れず、高温が12日以上で2相性になることが望ましいと言えます。

高温になれば排卵が終わったことはわかります。しかし、基礎体温表から排卵日を前もって知ることはできません。また、基礎体温表が2相性になっていても、必ずしも排卵しているとは言えません。卵巣機能が低下してくると、排卵しなくても黄体化し黄体ホルモンを出す卵胞もあるからです。

また、卵の質は、基礎体温表からは診断できません。さらに、電子体温計は短い時間で予測している為、人によっては基礎体温の結果が不正確となります。
よって、当院での治療を行う場合に、基礎体温表を参考にすることはあまりありません。

ホルモン検査(採血)

AMH(抗ミュラー管ホルモン)
検査時期:いつでも可
正常値:30代前半で4~5ng/ml(年齢によって異なります。1.0ng/ml以下だと卵巣の予備の卵が少なくなっていると考えられます。)
卵巣の前胞状卵胞から分泌されるホルモンで、卵巣の予備の卵の数を示します。
質ではありません。
体外受精のスケジュールを作るのに非常に有用です。
FSH(卵胞刺激ホルモン)
検査時期:生理開始2~4日目
正常値:7~8mlU/ml
生理中に脳下垂体から分泌され、卵巣の中の卵胞を発育させます。卵胞が発育するにつれて、卵胞の中の卵子も成熟します。FSHが分泌されないと、排卵が起こらず無月経となります。また、FSHが高いと卵巣機能が低下している可能性があります。
LH(黄体化ホルモン)
検査時期:生理開始2~4日目
正常値:2~4mlU/ml
卵胞がある程度発育すると、排卵の引き金として脳下垂体から急激に分泌されます。
排卵前に上昇するため、尿検査で排卵のタイミングを調べることが可能です。(市販されており、陽性が出た日に夫婦生活を持つとよい)
LHの値が高く、生理周期が長く不順であれば、多能胞卵巣(PCO)である可能性が高くなります。
PRL(プロラクチン、乳腺刺激ホルモン)
検査時期:生理開始2~4日目
正常値:30ng/ml以下
脳下垂体から分泌されて、乳腺を刺激し乳汁を分泌させるホルモンです。
PRLが高いと、無排卵や黄体機能不全を起こします。
TSH(甲状腺刺激ホルモン)
検査時期:生理開始2~4日目
正常値:0.44-4.95ng/ml
体の代謝に関係している大切なホルモンです。
血中甲状腺ホルモン値に異常があると流産、死産や不妊が起こりやすくなります。
E2(卵胞ホルモン)
検査時期:卵胞期(低温期)の排卵前
正常値:1個の卵胞成熟あたり200pg/ml
卵胞が育つと、卵巣から分泌されます。卵子のまわりの顆粒膜細胞から分泌されます。
卵子の成熟度を知る指標になります。
卵胞の大きさと個数と卵子の成熟度に比例して、血中濃度が上昇します。また、子宮内膜を厚くし、着床しやすい状態にします。
P4(黄体ホルモン)
検査時期:黄体期(高温期)
正常値:1個の黄体あたり10ng/ml以上
卵子の抜けた卵胞は黄体となり、そこから分泌されます(排卵後だけではなく、排卵前からも分泌されています)。そして、子宮内膜を機能させ、胚が着床し発育できるように働きかけます。

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頸管粘液検査

子宮の頸管腺から分泌される粘液を頸管粘液と言います。
卵胞ホルモンの血中濃度の増加に反応して、頸管粘液の分泌量が増加し、性状も変化します。これにより、精子が動きやすくなります。頸管粘液の状態が悪ければ、精子は子宮に侵入できません。一般的には、年齢が高くなると子宮の機能が落ちて、頸管粘液の性状が悪くなります。この場合、排卵にタイミングを合わせても妊娠の可能性は低いといえます。

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ヒューナーテスト(性交後検査)

排卵の時期に性交してもらい、通常翌日に子宮頸管の粘液を採取して精子の状態を見ます。侵入した精子は通常3日以上生きています。ヒューナーテストの結果がよいということは、精子や頸管粘液の状態がよく、抗精子抗体を持っていないと言えます。しかし、ある程度の精子が子宮に入っていても、卵管の中まで到達しているかはわかりません。結局、妊娠をすることで、卵管に精子が入り精子の受精能力に問題なかったということが証明できるのです。

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卵管疎通性検査(通水検査)

卵管の通過性を診断する検査です。(排卵した卵を拾い上げているかはわかりません。)
子宮から卵管に生理食塩水を送ります。そして、同時に行なう経腟超音波検査で卵管の通過性を確認します。

卵管には、大きく分けて2つの機能があります。管の部分の精子や卵子を送る機能と、卵管の端(卵管采)の卵を拾い上げる機能です。通水検査や子宮卵管造影は、卵管の通過性のみをみる検査であり、この検査で卵管に通過性があっても、正常に機能しているかどうかは妊娠をするまでわかりません。卵巣の外に飛び出した卵を、本当に卵管が拾い上げているとは言い切れないのです(ピックアップ障害)。卵管が詰まっていれば、その卵管は機能していないと言えます。しかし、これらの障害を持っていたとしても、体外受精をすれば妊娠可能です。

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子宮卵管造影

※当院では行っていません。
造影剤を子宮から卵管に流し、通過性を診る検査です。ヨード剤の造影剤を使用するので、アレルギーなどの副作用や甲状腺機能異常(母児共に)の可能性があります。

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子宮鏡検査

細いファイバー状のカメラを子宮頸管から子宮内に挿入し、感染予防のための抗生物質の入った生理食塩水を流しながら子宮腔内に異常がないか観察し、子宮腔内をきれいに洗います。子宮内にポリープの存在が疑われる場合や、体外受精の移植周期などに行います。

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精液検査

事前に感染症検査(採血)が必要です。4~5日の禁欲後、検査当日に採取していただきます。検査は予約制です。また、当院規定の容器があります。採精場所は、予約時に選択(当院or自宅)していただきます。自宅で採取される場合、採取後2時間以内にお持ちいただく必要がありますので、予約時間に合わせて採取してください。

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子宮内膜日付診

胚盤胞が子宮内膜に着床しやすい時期の内膜の日付と、実際の内膜の日付のずれを知るための検査です。卵胞ホルモンを内服して内膜を厚くし、黄体ホルモンを投与後5日目に子宮内膜の一部を採取し調べます。麻酔をして痛みを感じずに行う事も可能ですが、ほとんどが麻酔なしですぐに終わります。麻酔を使用したのは1例のみです。

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慢性子宮内膜炎検査

CD138免疫染色検査:子宮内膜の組織を採って、細胞を染色して調べる病理学的検査です。慢性子宮内膜炎があるかを調べますが原因を特定するものではありません。
ALICE:子宮内膜の組織を採って、分子生物学的に子宮内腔の細菌を同定し、内膜炎を起こす菌がいるか調べる検査です。内膜炎があるかは分かりません。
子宮内フローラ:子宮内腔液を採取し、そこに含まれる細菌の解析を行い、Lactobacillus属の占める割合、その他の細菌叢の分布(内膜炎を起こす菌がいるか)を調べる検査です。内膜炎があるかはわかりません。

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ERA検査、ERPeakの検査

移植周期と同じ周期を準備し、黄体ホルモンを加えて5日目あるいは排卵後5日目の子宮内膜を採り、分子生物学的に胚を受け入れる準備ができているかあるいはその前かあるいは過ぎているかを調べる検査です。

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腹腔鏡検査

※当院では行っていません。
全身麻酔をして、お腹の中にカメラをいれて、卵管の状態を直接診る検査です。入院が必要です。この検査で、卵管の通過性があって、卵管が正常に見えたとしても、または癒着を剥離したとしても(表面を覆っている漿膜がないので、癒着を剥離してもまた癒着してしまいます)、排卵された卵を全て採り上げているとは言えません。卵管が卵を拾い上げているかを確認する検査はないのです。この検査は、子宮内膜症の診断、治療、卵巣嚢腫の手術に最適です。

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FT(卵管鏡下卵管形成術)

※当院では行っていません。
子宮に近い位置の卵管の狭窄や閉塞を治療します。

POC(流産絨毛染色体検査)

稽留流産となった場合に、流産絨毛の染色体を調べる事により、胎児側の染色体異常があったかどうかがわかります。流産をくり返す場合、この検査をすることで流産の原因が胎児の染色体異常であると判明すれば、PGT-Aをすることで流産率を下げることが期待できます。

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