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採卵前のトリガーに関する論文①

論文紹介
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HCG注射のトリガーより点鼻スプレー(GnRHアゴニスト;海外では皮下注射)のトリガーが良好胚をもたらし、出産に至った症例の治療法とレビューを紹介します。 Empty follicle syndrome: successful treatment in a recurrent case and review of the literature R.Beck-Fruchter, A.Weiss,M. Lavee, Y. Geslevich, and E. Shale Israel Hum Reprod. 1357-1367, 2012 「空卵胞症候群:繰り返しARTを失敗したある症例で妊娠、出産

胚盤胞のPGS解析結果と自然流産絨毛の染色体検査結果との比較

論文紹介
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PGSの結果と流産絨毛検査の結果の比較により、染色体モノソミーは着床しない、トリソミーは着床するが流産に至ることがわかりました。 Embryo selection versus natural selection: how do outcomes of comprehensive chromosome screening of blastocysts compare with the analysis of products of conception from early pregnancy loss (dilation and curettage) among an assisted re

2015年9月 第18回IVF学会より

学会報告
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当院院長 岡が、2015年9月26日(土)-27日(日)に福岡にて行われた第18回IVF学会にて講演を行いました。 講演の内容は下記の抄録をご覧ください。 『シンポジウム~ ART 専門施設と周産期のネットワーク 生殖医療の現場から』 近年,体外受精の治療の進歩に伴い広く多くの体外受精児が生まれており,不妊治療には不可欠な治療法になっている.しかし,画一的な治療では成功しない症例も経験し,勉強させられる.今回,治療に苦慮した症例を2例報告し考察を加えた.同様な症例は海外からも報告されている1-4). 症例1 患者(M.Y.)38 歳,2013 年12 月3 日に人工授精1 回,体外受精1回,I

ミトコンドリア遺伝病について

基礎医学
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ミトコンドリアには独自のDNAが存在する ヒトの細胞質には独自の遺伝子を持ったミトコンドリアが存在していて、細胞にエネルギーを提供し、逆にミトコンドリアが必要なタンパク質の大部分はヒト核遺伝子によりつくられ、ミトコンドリアのDNAの複製は厳密に核DNAによってコントロールされています。受精のときに侵入した精子のミトコンドリアは卵子の酵素で死滅し、卵子(母親)のミトコンドリアが100%受精卵に受け継がれ、母親のミトコンドリアに異常があると母系遺伝をして子供にそのまま受け継がれて神経や筋肉の病気になります。 不妊治療において卵子の質が非常に重要ですが、卵子の質の低下としては、核DNAの染色体異常と

不妊治療とエピジェネティクス

基礎医学
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エピジェネティクスとは ヒトは一つの受精卵から発生し、器官ごとに異なった細胞に分化し、異なる機能を発揮しています。これは、DNAは同じでも働く遺伝子と休む遺伝子(遺伝子のON/OFFをする)があるためにおこり、これを調節しているのがエピゲノム(遺伝子外)修飾です。DNAの配列変化によらない、遺伝子発現を制御・伝達するシステムおよびそれを研究する学問をエピジェネティクスといいます。 DNAのシトシンがメチル化(目印ともいう)されることにより(シトシンの水素がメチル基に置換されること)、DNAは転写できなくなり働かなくなります。逆にヒストン修飾といってDNAを束ねている蛋白であるヒストンがアセチル

クローン羊のドリーはどうして生まれるか

基礎医学
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核移植技術によるクローン細胞の作製 クロ-ン細胞は、分化した体細胞の核を未受精卵の核を除去し、入れ替える核移植によって作ります。受精に似た刺激を与え、受精卵と同じ状態にすると、分化していた核のゲノムは初期化され体のどの臓器の細胞にもなれます。細胞が分化し発達してクローン動物が生まれますが、生まれる率は1~2%ととても低くほとんどが異常を持っています。その理由は核移植したゲノムの初期化が不十分だからです(DNAの脱メチル化が不十分で修飾が残存)。分化の印がまだゲノムに残っているのです。IPS細胞(人工多能性幹細胞)でも初期化が完全ではないということです。クローン羊のドリーは、ゲノムの初期化が運良

染色体転座について

基礎医学
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流産や不妊と関係がある転座の形として相互転座とロバートソン転座があります。 相互転座は、異なる2本の染色体に切断が起こり、その切断された断片が交換され、他方に結合するものです。2本の染色体が交差した時に起こりやすいです。 通常は情報が入っている遺伝子(染色体)の位置が換わっただけなので、表現型(見た目や性質です)は変わりありません。このような人は均衡(きんこう)型転座保因者と呼ばれます。保因者は、見た目には何も異常がありませんが、子孫を残すために精子や卵子を作るときに、遺伝情報が過不足した染色体(不均衡)をもった精子や卵子ができる可能性があります。 上図のように、相互転座のない人と子孫を残す場

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