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不妊治療

Fertility Treatment

体外受精(高度不妊治療)

高度不妊治療には、特に利用される2つの方法があります。

体外受精(IVF-ET)

体外受精とは、排卵近くまで発育した卵子と精子を体外に取り出し(採卵)、それらを培養液の中で出会わせること(媒精)によって受精させ、分割した卵を子宮に戻す不妊治療のことです。精子と卵子の出会いの仲介をするという形になります。医療機関によって結果の違いはありますが、80%の確率で受精がなされます。受精が確認された受精卵は培養液の中で育てられ、細胞分裂を繰り返します。そして順調に発育した良好な胚を選び、その胚を女性の腟の方から子宮内に移植します。この卵子と精子を体外に取り出し、体外で受精を行い、培養した胚を子宮内に移植する一連の治療を体外受精(IVF)といい、正式名称は体外受精-胚移植(IVF-ET)といいます。

体外受精(IVF-ET)の目的

体外受精が始まったばかりの頃は、卵管が閉塞・癒着により機能していない場合(卵管因子)や、精子の数や運動率が不十分であり、人工授精では妊娠しない場合(男性因子)、また他の不妊治療(排卵誘発、人工授精など)で妊娠に至らない場合の主な治療方法でした。しかし晩婚化・晩産化の進む現代では、「卵の質の低下を数で補う」つまり「良好な卵を選ぶ」ことが多くの場合の目的となっています。これまでの報告では自然妊娠と比べて赤ちゃんに異常が起きる確率にほとんど差はないとされています。

体外受精(IVF-ET)のメリット

卵巣刺激によって、1回の周期でより多くの卵子を利用することが妊娠への近道となります。そのため2~5日間の培養を行った後に、良好な胚を選び体内に戻すことが一般的に行われています。胚の評価基準として代表的な分類法が2種類ありますが、一般的に受精2日目に4細胞、3日目に8細胞以上に分割し、それぞれの細胞(割球)の大きさが均一で、フラグメント(胚の中にある割球以外のブツブツとしたもの)が少ないものほど良好とされています。

また、良い胚を選ぶため妊娠率が高いだけでなく、そこから多くの情報が得られ問題点も明らかにできることです。通常の不妊症検査で異常が見つからなくても、体外受精を行ってみると、それまで判らなかった卵の質、精子の受精能力、着床の問題なども明らかになります。

▶卵巣刺激の詳しい説明や、採卵当日の流れについてはこちら

体外受精(IVF-ET)の流れ

  1. 卵巣刺激:卵巣を刺激して10個程度の卵胞を発育させます。
  2. 採卵:成熟した卵子を体外に採り出します。
  3. 媒精・培養:卵子と精子を出会わせ、受精させ体外で育てます。
  4. 胚移植:正常な受精をして発育した受精卵の中で、赤ちゃんになる確率の高い胚を選んで原則1個を子宮に戻します。

顕微授精(ICSI-ET)

体外受精とは受精の方法が異なります。体外受精をしても、男性不妊で精子の数が少ない、精子の運動率が悪い、といった方は受精をしない場合が多くみられます。また精液検査は正常でも受精しない、といったことも不妊症のご夫婦には少なからずあります。
そこで顕微鏡と特別な装置を使い、一個の形態が正常で活発な精子を針のように細くしたガラス管に吸い込んでおき、卵細胞の中に直接ガラス管の針を穿して一個の精子を卵細胞内に注入する方法を用います。これが顕微授精(ICSI-ET)です。この方法では、卵子の数だけ正常な精子がいれば受精が可能です。無精子症と診断された人でも、精巣(睾丸)から精子を見つけられれば、妊娠が可能です。これをTESE(精巣精子顕微受精法)といいます。

体外受精と同様、専門的な医療技術が求められる治療法で、妊娠率が高いですが、その分身体への負担が大きく、治療費も高くなります。

顕微授精(ICSI-ET)の目的

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顕微授精(ICSI-ET)のメリット

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顕微授精(ICSI-ET)の流れ

  1. 採卵・採精:成熟した卵子と精子を体外に採り出します。
  2. 洗浄・濃縮:採卵・採精した精液を洗浄・濃縮します。
  3. 抽出:その中から、生殖能力の高い元気な精子だけを抽出します。
  4. 受精:その中から、最も質の良い精子を細い針で直接卵子の中に注入して人工的に受精させます。
  5. 胚移植:子宮に戻します。

Q&A

体外受精には、他の方法はありますか?
体外受精と顕微授精以外にも以下のような方法もございます。
Modified ICSI

体外受精では卵子に精子が接着し、透明帯を貫通すると透明帯に電気的変化(カルシウムイオンが移動し、卵子内のカルシウムイオン濃度が上がる)が起こり殻を固くし、2匹目の精子が入らないようにします。このことを卵子の活性化といい、受精が正常に起こり後の分割も順調に進みます。
一方通常の顕微授精では針を用いて受精させるため、患者さんによってはこの卵子の活性化が十分起こらず、受精しない、受精率が悪い、あるいは受精するが胚の発達が遅くて胚盤胞ができないということが起こります。これを解決するのが2003年から行っているModified ICSIで、この方法により卵子の活性化を起こりやすくします。結果、胚盤胞が得られ妊娠される方がいます。

精巣精子顕微授精法(TESE)

※当院では行っていません
無精子症の方も、精巣に精子がいれば妊娠可能です。手術により精巣から採り出した精子で顕微授精を行います。男性不妊症を専門に診療を行う近医で、主にマイクロスコープを用いたMD-TESEを行い、精子を回収し凍結保存し、当院で採卵した卵に顕微授精を行なっています。凍結精子を用いた顕微授精と新鮮精子を用いた顕微授精の妊娠率、出産率は同等です。

費用はどのぐらいかかりますか?
体外受精トータルの費用で約40万~です。詳しい費用は、こちら
治療日数はどれぐらいの期間かかりますか?
人によりますが、約1ヶ月です。

治療の際、痛みはありますか?
体外受精では、採卵だけでなく、採卵に至るまでの検査や処置、採卵後にも痛みを生じる場合があります。