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採卵個数別による妊娠成績の検討

学会報告

このたび、東京HARTクリニックでは、良好な妊娠成績を得るための採卵個数の検討を目的として研究を行いました。
対象は、2022 年に東京 HART クリニックで凍結胚盤胞融解移植を行った患者様です。後方視的に採卵個数を 9 個以下、10 個以上 15 個以下、16 個以上で患者様をグループ分けし、臨床妊娠率、流産率、継続妊娠率をそれぞれ比較検討しました。結果は以下の通りです。

採卵個数 症例数

平均年齢(歳)

平均採卵個数 平均移植胚数 臨床妊娠率(GS %)

流産率(%)

継続妊娠率(%)
9個以下 157 37.6 6.2 1.7 40.1 28.6 28.7
10-15個 114 36.8 12.1 1.6 37.7 14.0 32.5
16個以上 63 35.3 20.6 1.7 47.6 10.0 42.9

その結果、採卵数が多い方が流産率が低く、継続妊娠率が高い傾向が見られました。このことが示すのは、採卵数が
多いほど良好胚が選別できて移植に利用できているということです。高刺激をして過剰な採卵をすると卵子の質が下がり、低刺激や中刺激のほうが卵の質が良いと言われることがありますが、今回の結果からは、そのようなことはないということが示されました。

本研究の結果は、2023年11月9日・10日に金沢市で開催される第68回日本生殖医学会学術講演会で発表される予定です。