採卵数の増加は、顕微受精周期のday3の正倍数性胚の増加と相関した
Human Reproduction,2019年、1月号 オーストラリアからの論文
体外受精では、妊娠の確立を上げるために、卵巣を刺激し、多数の卵子を採卵することを目的としている。しかし過剰な卵巣刺激が生児出産率を低下させているのではないかとの懸念を抱く人もいる。これまで卵巣刺激周期で多数の卵子が回収された場合に、得られた胚の正倍数性の割合などは明らかにされていない。
今回ICSI周期の卵巣刺激周期で回収された卵子の数が、day3の正倍数性の染色体の胚の数と相関するかを2011年から2016年にかけての3か所のラボの724周期のday3の胚のarray-CGHを用いた着床前診断(PGT-A)のデータを後方視的に研究した。
結果;採卵数は正倍数性の胚の数と正の相関を示した、すなわち採卵数が増えるにしたがって、正倍数性の胚の数が増加した。女性の年齢がその正の相関に影響する因子であった。採卵数は累積出産率とも正の相関を示した、すなわち採卵数が多いと採卵周期あたりの生児出産率も増加した。
感想;他の同様の論文のように採卵数多くなるとそれに伴い正倍数性の胚も増加し、早く生児出産に到達しやすくなるようです。