9月15日に行われました第17回日本生殖看護学会にて、当院看護部が発表を行いました。
「二人目不妊治療の負担感に関する調査」
目的:二人目不妊治療を受ける患者が経験する負担感の特徴を明らかにし、二人目不妊患者に求められる看護支援への知見とすることを目的とする。
方法:2019年4月~5月に次子を希望して一般不妊治療及び生殖補助医療を受けている女性患者30名を調査対象とした。
調査票は、二人目不妊治療の負担感に関して、その強さ及び内容、一人目治療時との比較、育児との両立困難度について独自に作成した質問を5ないし7段階のリッカート尺度による回答で量的に把握した。また負担感に影響する要因として、二人目不妊特有のストレッサー、ソーシャルサポート、育児ストレスについても尋ねた。育児ストレスについては育児ストレスインデックスショートフォーム(浅尾ら,2015)を用いて測定した。
結果:回収された調査票は30部(回収率100%)で、全て有効回答であった。対象の平均年齢は39.2歳、夫の年齢45.6歳、既子(n=32)の平均月齢は32.0ヶ月であった。現在就業している者の割合は60.0%で、形態としては夫婦と子どものみの核家族が9割を占めた。二人目不妊治療では、身体的・精神的負担よりも経済的・時間的負担が大きい、また時間的負担に関して、一人目治療の時よりも今回の方が大きいと回答した。二人目不妊のストレスについては、残された時間の少なさに対する焦りや孤独感が多く挙げられた。
結論:二人目不妊治療患者においては、第一子治療時から変わらない経済的負担感と、二人目治療特有である育児との両立にかかわる時間的負担感が強いことが明らかとなった。負担を強く感じながらも、妊娠可能な時間的猶予に対する焦りや自身のイメージする家族の形を得るために治療に臨んでいる二人目不妊患者に対し、より負担に配慮した看護支援について検討することが求められる。
アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。ご報告をもって御礼に代えさせていただきます。