真の反復着床障害の有病率は低い。単一の正倍数性凍結胚盤胞を3回移植した結果から。
Fertility & Sterility、2021年1月号
目的;反復着床障害の真の有病率を知るため、民間のARTアートセンターで後方視的に研究した。
患者;連続3回までの凍結正倍数性胚盤胞の単一移植(FE-SET)を行った。解剖学的に正常な子宮を有する女性で、子宮内膜厚が7mm以上の周期を対象とし、提供卵や代理母を伴う周期は除外した。4429名の女性(平均年齢35.4歳)が対象となった。黄体ホルモン投与は筋肉注射とし、黄体ホルモン投与後5日目に融解移植した。凍結胚盤胞がなくなれば再度採卵を行った。妊娠して流産したものは除外した。治療をあきらめドロップアウトしたものも除外した。
結果;1回目、2回目、3回目のFE-SETの継続着床率は、それぞれ69.9%、59.8%、および60.3%で、生児出産率はそれぞれ64.8%、54.4%、および54.1%であった。3回連続FE-SE後の累積継続着床率は95.2%、累積生児出産率は92.6%であった。心拍確認後の流産率は1回目7.2%、2回目8.8%、3回目12.7%でFE-SET間で差はなかった。
結論;今回の研究結果は、真の反復着床障害は稀であることを示唆しています。正倍数体の胚盤胞を作る能力のある患者では、3個の胚を移植して臨床妊娠を達成できないのは5%以下です。ただし、この論文では流産した場合など検討対象から除外されている症例も多いため、結果の解釈には注意が必要です。
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