最近、不妊治療で良い受精卵が保存してあるのに、経済的な問題で、さらなる移植をあきらめたり、新たな治療を望まなかったりするご夫婦が、多くなっています。明らかに10年前と比べて、子育てが大変な国になっていると、感じます。日本の将来が心配で、なぜそうなったのか、改善できないのか、不妊症治療医として経済的に、考察してみました。
少子化をくい止めるための、経済学的、政治学的な日本の対策
Ⅰ.日本政府の達成すべき目標;
国民が、経済的に豊かで、子育てが余裕をもってできること。
老後に心配がなく、安心して働けること。
国民が幸せであること。
新たな世代や、教育や、分化やインフラは財産として次世代に引き継がれます。目先の中国からのお金や、移民では将来のビジョンが浮かびません。日本人が豊かになり、日本人がまず、ホテルなどの施設を、利用し楽しむのです。日本人による日本人のための国造りです。
Ⅱ.政府が行うこと;
減税(まずは低所得層に負担が大きい消費税から)して、国民の購買力を上げる。減税で、適度なインフレに調整する。
国民の消費が増えれば、国内に投資先が生まれ、景気が良くなり、国が発展する。金を企業にばらまくだけではだめです、過度になると勤労意欲をなくします。
人を育てる。国債を発行して教育費を無料にし、子育てを無料にし、研究費も支援し、優秀な次世代を育てます。
年金を手厚く支援して、働く世代が老後に不安を持たないようにします。国民が、老後が不安で預金に走るのではなく、仕事をしながら消費ができる状態をつくります。
Ⅲ.政府の財源について;政府が国債を発行し、財源とする。
今までの政府の説明;国には1200兆円の借金があり、増税して、返済しないと孫の代まで借金が残るのでさらなる国債を発行できない。
反論①;国は、海外への負債以上に、海外資産を多く所有しており、世界一の金持ち国である。
反論②;国内に政府が発行する国債は、国や国民の借金ではなく、政府の借金である。実際に、その借金は、昭和時代から何百倍にもなっているが、国は破たんしていないし、円の価値も下がっていない。
反論③;日銀が買い戻した国債は、もはやただの数字で、政府の借金ではない。したがって本当の政府の借金は数百兆円である。政府の破たんが騒がれ始めた40~50年前から買い戻された国債はうなぎのぼりに増えているけれども、実体経済には何の影響も起こっていない。
そもそも自分でお金を作れる人は、破産しません。
Ⅳ.最大の問題;
財務省のプライマリーバランス黒字化を目指すという第一目標が最大の問題である。これをなくさない限り、日本国民は豊かにならず、少子化は止まらない、というのが今回の私の結論でした。
東京HARTクリニック院長 岡 親弘