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新型コロナウイルスワクチンについて

院長記事

新型コロナウィルスは未だ有効な治療法が確立されておらず、世界的パンデミックに伴う緊急事態ということもあり、たとえ治験中のワクチンであってもその使用を容認せざるを得なかったというのが現状です(ファイザー社のmRNAワクチン治験終了は2023年5月の予定)。私たちはワクチンの有効性や安全性が不確実な状況下で、ワクチン接種への選択を迫られています。

新型コロナワクチンは2021年より日本でも予防接種が始まり、接種に関してはこれまでに様々なことが分かってきています。
①1989年オランダと2006年日本の論文ではmRNAを投与後、致死性が高い毒性のコロナウィルスに感染したネコはADE(抗体依存性感染増強)により全て死んでいます。
②イギリスの詳細なデータによると、コロナの感染者数はワクチン非接種者よりも接種者の方が1.5倍高いという結果でした。しかし反対に重症化率の割合は接種者の方が非接種者よりも3分の1程度に抑えられています。よって当初心配されたADEは、ワクチン接種によるADEリスクはあるものの重症化を防ぐという意味では効果があると言えます。
③2021年の論文では、マウスにmRNAワクチンを静脈注射すると心筋炎が起こり、2回目の接種ではそのほとんどが重症化したと報告されています。これはヒトの場合も同様であると考えられ、mRNAワクチンが静脈に注射されることで心筋炎が起こり重症化していくと考えられています。
④海外や日本のデータからは特に15歳から34歳の男性へのmRNAワクチン投与は心筋炎のリスクが上がると考えられています。
不妊や流産については当初、子宮内膜にはACE2レセプターがあり、子宮内膜の出血やmRNAによる卵巣反応や卵子成熟についての心配がされました。これについては⑤アメリカのデータや日々の臨床所見を見ていても、これまでのところ重大なことは起こっていないと言えます。
mRNAコロナワクチンがそれまでの不活化ワクチンと異なる点は、ワクチン接種後に死亡したと思われる人が1300人を超え、重篤な副反応を生じた人が5千人程いる(厚労省ホームページ)など、その因果関係には不明なことも数多くあるということです。よって新型コロナワクチンはあくまで治験中のワクチンということを念頭に、中長期的な副作用出現の可能性を見据えながら慎重に投与すべきと考えています。

従来HIVウィルスやコロナウィルスなどのRNAウィルスは変異を起こしやすく、ワクチンの効果は期待できないとされていました。今回の新型コロナワクチンはワクチン効果が期待できるとして大規模に接種されています。したがって今後、変異株に対する対応や、その効果を検証する必要もあると考えます。

※①~⑤論文やデータの引用元
①Early Death after Feline Infection Peritonitis Virus Challenge due to Recombinant Vaccinia Virus Immunization
Journal of Virology, Mar.1990.p.1407-1409
Antibody-Dependent Enhancement Occurs Upon Re-Infection with the Identical Serotype Virus in Feline Infectious Peritonitis Virus Infection, J. Vet. Med. Sci. 70(12): 1315-1321, 2008
②英国、保健省データ
③Intravenous Injection of Coronavirus Disease 2019(COVID-19)mRNA Vaccine Can Induce Acute Myocarditis in Mouse Model
Clinical Infectious Diseases, published online 18 August 2021
④Myocarditis Analyses in the Vaccine Safety Datalink: Rapid Cycle Analyses and “Head to Head” Product Comparisons(Data Through 10/09/2021)
オーストリア保健省、超過死亡データ
日本、新型コロナワクチン接種後心筋炎データ(厚労省、日本小児科学会、日本経済研究センター)
⑤Preliminary Findings of mRNA Covid-19 Vaccine Safety in Pregnant Persons N ENGJ MED 384;24, June17,2021
SARS-CoV-2 spike protein seropositivity from vaccination or infection does not cause sterility F&S Report Vol.2, Issue 3, September 21 2021
Sperm Parameters Before and After COVID-19 mRNA Vaccination JAMA July20, 2021 Vol326, No3
ヨーロッパ生殖医学会(COVID-19 vaccination and assisted reproduction)