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新型コロナウイルスワクチンについて

院長記事
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新型コロナウィルスは未だ有効な治療法が確立されておらず、世界的パンデミックに伴う緊急事態ということもあり、たとえ治験中のワクチンであってもその使用を容認せざるを得なかったというのが現状です(ファイザー社のmRNAワクチン治験終了は2023年5月の予定)。私たちはワクチンの有効性や安全性が不確実な状況下で、ワクチン接種への選択を迫られています。 新型コロナワクチンは2021年より日本でも予防接種が始まり、接種に関してはこれまでに様々なことが分かってきています。 ①1989年オランダと2006年日本の論文ではmRNAを投与後、致死性が高い毒性のコロナウィルスに感染したネコはADE(抗体依存性感染増

乳酸桿菌について

院長記事
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乳酸桿菌(ラクトバチルス)はヒトの腸内に生息する腸内細菌である乳酸菌の一種で、約30種類ほど知られており、ヒトの免疫の活性化や腸内細菌叢のバランスの改善や整腸などヒトに有益に働いています。腸内細菌はヒトの体内に約1000種類、100兆個から1000兆個あると言われており、ヒトの健康に大きくかかわっています。反復着床障害や反復流産症例に対して子宮内の乳酸桿菌を増やす治療が最近国外、国内ともに行われ、有効であると報告されています。 近年、子宮内は無菌ではないことが分かってきて、子宮内膜炎を起こす悪玉菌がいるか検査できるようになりました。子宮内の乳酸桿菌を増やし、子宮内を弱酸性にし、内膜炎を起こす細

不妊症治療医が考える、少子化対策

院長記事
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最近、不妊治療で良い受精卵が保存してあるのに、経済的な問題で、さらなる移植をあきらめたり、新たな治療を望まなかったりするご夫婦が、多くなっています。明らかに10年前と比べて、子育てが大変な国になっていると、感じます。日本の将来が心配で、なぜそうなったのか、改善できないのか、不妊症治療医として経済的に、考察してみました。 少子化をくい止めるための、経済学的、政治学的な日本の対策 Ⅰ.日本政府の達成すべき目標; 国民が、経済的に豊かで、子育てが余裕をもってできること。 老後に心配がなく、安心して働けること。 国民が幸せであること。 新たな世代や、教育や、分化やインフラは財産として次世代に引き継がれ

着床前診断:国内でのPGT-A、PGT-SRについて

院長記事
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2021年9月23日に、日本産婦人科学会が行ってきた着床前診断のデータ発表がありました。PGT-Aの対象が反復流産(習慣流産)と反復ART不成功症例でした。妊娠率が約60%、流産率が約10%でした。胚盤胞になっても戻せる胚は40%でした。結論として、PGT-Aを行うと妊娠率はやや良くなるが、大きくは改善せず、流産率は低くなった、ということでした。海外からの報告の出産率50~60%と同等でした。 2012年頃までは、アメリカのリプロジェネティクス社によるアレイCGHでのPGT-Aの結果報告は毎年ありました。それによると、不妊患者の37歳以下では約50%の胚盤胞の染色体が正常、38歳以上で約33%

マイルド刺激IVF周期で出生率と累積出生率を最適化するには

論文紹介
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“Oocyte or embryo number needed to optimize live birth and cumulative live birth rates in mild stimulation IVF cycles” Reprod Biomed Online, 2021 「マイルド刺激IVF周期で出生率と累積出生率を最適化するために必要な卵子または胚の数」 【要旨】 ・研究の質問 正常な卵巣予備能を持つ女性の、マイルド刺激IVF(MS-IVF)後の周期あたりの出生率(LBR)と累積LBR(CLBR)を最適化するには、いくつの卵子または胚が必要か? ・研究デザイン イギリスの

採卵個数と妊娠率の関係(当院データ)

その他
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当院では、採卵数10個から15個を目標に、副作用が出ない範囲で可能な限り多くの卵子が とれるように卵巣刺激を行っています。 採卵数が増えると卵子の質が下がるのではという質問がありますが、それに答えるため 当院での臨床成績を年齢別、採卵個数別に比較検討しました。 2019年1月~2020年12月までに当院で凍結胚盤胞融解移植を行った患者さんを対象としています。 (平均採卵回数に関しては、上記の期間以外の治療も含みます) この結果によると、39歳以下および40歳以上のいずれの群においても、採卵個数が 多いほうが臨床的妊娠率、継続妊娠率ともに高く、流産率も変わりませんでした。 採卵数が多くても、卵子

HARTテレビカンファレンスより(真の反復着床障害の有病率)

論文紹介
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真の反復着床障害の有病率は低い。単一の正倍数性凍結胚盤胞を3回移植した結果から。 Fertility & Sterility、2021年1月号 目的;反復着床障害の真の有病率を知るため、民間のARTアートセンターで後方視的に研究した。 患者;連続3回までの凍結正倍数性胚盤胞の単一移植(FE-SET)を行った。解剖学的に正常な子宮を有する女性で、子宮内膜厚が7mm以上の周期を対象とし、提供卵や代理母を伴う周期は除外した。4429名の女性(平均年齢35.4歳)が対象となった。黄体ホルモン投与は筋肉注射とし、黄体ホルモン投与後5日目に融解移植した。凍結胚盤胞がなくなれば再度採卵を行った。妊

HARTテレビカンファレンスより(デュアルトリガーの有効性)

論文紹介
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“GnRH agonist and hCG (dual trigger) versus hCG trigger for final follicular maturation” 2020, No.7, Human Reproduction 最終的な卵胞成熟へのデュアルトリガーとしてのGnRHアゴニストと組み合わせたhCG投与と、hCG単独投与の比較(カナダからの論文) 【背景】 哺乳動物では、自発的な排卵前にFSHとLHの両方が急上昇し、最終的な卵胞の成熟と排卵が起こる。トリガーとしてのヒト絨毛ゴナドトロピン(hCG)の投与(5000~10000単位)は採卵36時間前行