当院では、採卵数10個から15個を目標に、副作用が出ない範囲で可能な限り多くの卵子が
とれるように卵巣刺激を行っています。
採卵数が増えると卵子の質が下がるのではという質問がありますが、それに答えるため
当院での臨床成績を年齢別、採卵個数別に比較検討しました。
2019年1月~2020年12月までに当院で凍結胚盤胞融解移植を行った患者さんを対象としています。
(平均採卵回数に関しては、上記の期間以外の治療も含みます)
この結果によると、39歳以下および40歳以上のいずれの群においても、採卵個数が
多いほうが臨床的妊娠率、継続妊娠率ともに高く、流産率も変わりませんでした。
採卵数が多くても、卵子の質が悪くなることはなく、流産は増えないと考えられます。
また、採卵数が多ければ、むしろ良好胚を選択しやすく、早期に出産に到達することが可能であると考えられます。
ただし、卵巣予備能に不釣り合いな、過度の刺激を行った場合は、卵の質を悪くする可能性はあります。